季節の変わり目は、頭痛や肩こり、倦怠感、肌荒れなどさまざまな不調が出やすい時期です。
中でも、季節性の不調のひとつでもある「ふわふわめまい」を一時的なものとして見過ごしがちな方も多いのではないでしょうか。

ふわふわめまい(浮動性めまい)の原因はひとつではありませんが、季節の変わり目に起きるものについては自律神経の乱れが一因であると考えられています。
耳や脳などに病気や損傷といった原因がないめまいは、生活習慣の改善に加え、体質に合った漢方を使用することで改善できることがあります。

今回は季節の変わり目に起こりやすいふわふわめまいについて、中医学的な考え方やおすすめの漢方(中医薬)をご紹介します。

季節の変わり目のふわふわめまいは漢方(中医薬)でケアできる

季節の変わり目にふわふわめまいが起こったとき、一時的なものだからと病院に行かない、または西洋薬でなんとかするという方も多いのではないでしょうか。
西洋薬で一時的に不調がよくなっても、根本的な解決には至っていない場合も多いはずです。

そこで取り入れて欲しいのが「漢方(中医薬)」です。

ここで、漢方と中医薬という言葉の違いについて簡単に解説します。
漢方とは、中医学を起源に日本で独自に発展してきたもので、「めまいにはこの方剤」のように症状を診て処方されます。
一方の中医薬は、一人ひとりの「証(体質)」にフォーカスして処方される傾向があり、全身のバランスを整えたり、体質をより良くしたりすることをゴールと捉えています。

自分の体質と抱えている悩みに合った漢方(中医薬)をしっかりと選ぶことで、ふわふわめまいのような、なんとなくの不調をはじめ、体質を改善できることがあります。

おすすめの漢方(中医薬)をご紹介する前に、そもそもなぜ季節の変わり目に「ふわふわめまい」が起こりやすいのかをご説明します。

ふわふわめまいは自律神経の乱れが原因

自律神経は血圧、脈拍、体温など、カラダの機能を調整する役割があります。
自律神経は交感神経と副交感神経のバランスによって保たれており、バランスが崩れると自律神経が乱れると考えられています。

特に秋は気象の変化によって自律神経が乱れやすい季節

夏から秋に切り替わる時期は気温の寒暖差をはじめ、気圧や湿度の変化も大きくなります。
特に秋は台風シーズンで、低気圧の影響で体調を崩しやすい季節です。

気温の寒暖差、気圧・湿度の変化にカラダが追い付かず、自律神経がストレスを受けます。

自律神経がストレスを受けるとバランスを崩しやすくなり、さまざまな不調がココロやカラダに現れます。
季節性のふわふわめまいもそのひとつです。

自律神経の乱れ=「肝」の弱りと考える中医学

自律神経を整えることは「肝」をケアすること

中医学において、自律神経を調整するのは「肝(かん)」と考えられています。
肝はエネルギーである「気」の流れを司っていますが、ストレスがかかると肝の働きが弱ることで気のめぐりが滞ります。
中医学では、こうした肝による気のめぐり(肝気)が滞った結果として、ふわふわめまいのような不調が現れると考えられているのです。

自律神経を整えるためには、日常的に「肝」をケアしてあげることが大切です。

肝をケアする食材

  • 玉ねぎ
  • ピーマン
  • いちご
  • 太刀魚
  • 牛や豚、鶏のレバー

肝をケアするライフスタイル

  • ストレスを溜めない
  • ココロに余裕をもつ
  • 深呼吸で気持ちを落ち着かせる
  • しっかり休む

上記の日常的なケアだけでは、肝を十分にケアすることは難しい場合もあります。そこで漢方(中医薬)を取り入れることでカラダの内側から肝をケアし、ふわふわめまいを和らげることが期待できます。

ふわふわめまいにおすすめの漢方(中医薬)

商品を紹介する前に、まずは中医学の診察のひとつである「望診(ぼうしん)」(舌や顔色などを診ること)で、自分のカラダがどういう状態なのかをチェックしていきましょう。

鏡の前で舌をベーっと出してみてください。舌の状態は、次の2つの内どちらに当てはまるでしょうか。

①舌を出したときに白色、または黄色の苔が厚くついている
②舌を出したときに舌に苔が全くない、または小さく薄い

次に舌の状態それぞれに合わせた、ふわふわめまいに効果的な漢方(中医薬)をチェックしましょう。
※ご使用前に、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

①には「香砂正胃方(こうさしょういほう)」がおすすめ

「舌を出したときに白色、または黄色の苔が厚くついている」タイプは、体内の水分代謝が滞っています。
具体的には、食べ物の消化不良などが原因で胃腸でドロドロとした痰のようなものが生まれ、うまく外に出せない「痰湿(たんしつ)」と呼ばれる状態になっていると考えられます。

「痰湿(たんしつ)」によるめまいは一見「肝」とは関係がなさそうですが、実は関わっています。
「肝気」をしっかりとめぐらせることで、水分代謝の改善や食べ物の消化をサポートするからです。そしてこの働きを補ってくれるのが、位元堂(いげんどう)の「香砂正胃方」です。

また漢方の活用に加え、水分をこまめにとる、脂っこいもの・辛いもの・甘いもの、アルコールは避けるといった生活習慣を心がけましょう。

②には「十全大補丸(じゅうぜんたいほがん)」がおすすめ

「舌を出したときに舌に苔が全くない、または小さく薄い」タイプは、エネルギーである「気」と栄養である「血」が不足しています。2つが不足する一因は、疲れや睡眠不足などによるものもあります。

「肝」は気のめぐりだけでなく血のめぐりも担っているため、気と血が不足すると脳に届く栄養分も不十分となり、めまいにつながることがあります。
位元堂の「十全大補丸」は気と血の不足を補うことで、これを改善してくれます。

十全大補丸の活用に加え、しっかりと睡眠をとる、ストレスの原因となることは避け、リラックスするといったことを心がけましょう。

ふわふわめまいは漢方で乗り越えよう

季節の変わり目に起きやすいふわふわめまいと、中医学的なアプローチ方法についてご紹介しました。生活習慣に気をつけるだけ、漢方(中医薬)を取り入れるだけでは、根本的な解決に至らないこともあります。どちらもバランスよく取り入れることで、季節の変わり目も元気に過ごせるかもしれません。

またふわふわめまいに限らず、どんな不調に対しても、まずは自分のカラダの状態をよく知ることが大切です。

カラダ漢方公式Xでは、スタッフが舌や唇、目などの状態を実際にセルフチェックした様子を投稿しています。鏡さえあればどこでも簡単にできるので一緒にチェックし、自分のカラダを知ることから始めましょう。