多くの女性に起こり得る「更年期障害」。
厚生労働省の調査によると40歳代女性の28.3%、50 歳代女性の38.3%が更年期障害の可能性があると考えているそうです。*¹
更年期の間に現れるホットフラッシュやめまい、頭痛、イライラ、うつといった症状のうち、日常生活に支障をきたすものを更年期障害といいます。更年期障害の主な原因は女性ホルモンの低下とされていますが、生活習慣の乱れやストレスなども一因と考えられています。
「更年期障害=辛い」というイメージを持つ方も多いと思いますが、まずは更年期障害が起こる仕組みを理解することが大切です。更年期障害を知っているのと知らないのでは、症状が出たときの対策が違ってきます。
そこで今回は更年期障害に対する中国伝統医学(中医学)の考え方や症状にあった商品をご紹介します。
*¹出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/content/000952295.pdf)
更年期障害を知ろう
更年期と更年期障害とは
「更年期」は、閉経(月経が止まる)までの前期と閉経後の後期を合わせた、約10年間のことを指します。一般的には40代半ばから50代半ばまでの約10年間といわれていますが、期間には個人差があります。ちなみに、日本人女性の平均閉経年齢は50.5歳*²とされています。
この更年期に現れるさまざまな症状の中でも、日常生活に支障をきたすものを「更年期障害」といいます。
更年期障害の主な原因は女性ホルモン(エストロゲン)が急激に低下することとされていますが、生活習慣の乱れやストレスなども複合的に関わり症状が起こると考えられています。
以下では、カラダとココロに現れる症状の一例を紹介します。
カラダに現れる症状
- ホットフラッシュ(主に顔にあらわれるほてり、のぼせ、発汗など)
- めまい
- 頭痛
- 肩こり
- 腰痛
- 関節痛
- 冷え
- 疲労感 など
ココロに現れる症状
- イライラ
- うつ
- 不安感
- 不眠 など
更年期障害は女性特有のものと思われがちですが、男性にも起こり得ます。
男性の更年期障害については、別のコラムで紹介しています。
*²出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/06/dl/s0613-8e.pdf)
更年期障害の治療方法
更年期障害の治療法にはさまざまな選択肢がありますが、代表的なのはホルモン補充療法(HRT)と漢方療法です。
ホルモン補充療法は飲み薬や貼り薬などを使い、減少した女性ホルモンを補充して安定させる治療方法です。症状が起こる原因にアプローチするのが特徴です。
一方、漢方療法は中医学を基に日本で独自に発展してきた治療法で、「冷え症にはこの漢方」のように症状と方剤(漢方)を組み合わせて処方するのが特徴です。
ここでもう1つ治療法として挙げられるのが、中医学を基にした中薬です。中薬は漢方と異なり、一人ひとりの「証(体質)」にフォーカスして、全身のバランスを整えるという観点で使用されます。
中医学で考える更年期障害の原因は「腎」の弱り
中医学において腎(じん)は生殖機能を担うとされており、腎が弱るとさまざまな症状がでるといわれています。
そもそも腎は年齢とともに弱っていくものなので、プルーンや豚肉、鶏肉、うなぎなど、腎を補う食材を日常生活の中で取り入れつつ、まずは腎を補うことが大切です。
しかし日常生活の中で腎を補うのは難しいこともあるので、具体的な更年期症状3つとそれぞれの症状に適した商品を紹介します。
※ご使用前に、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
①イライラや気分の落ち込みを感じる
イライラや気分の落ち込み、何もしたくない、やる気がでないなど、気持ちにとても波がある状態は、エネルギーである「気」と栄養である「血」のめぐりが停滞していると考えられています。
「腎」は肝・心・脾・肺といった臓腑を動かす重要な役割があり、腎が弱ると気と血のめぐりを促す役割である「肝」が正常に働かなくなります。その結果、気と血のめぐりが滞り、イライラや落ち込みやすいといった影響がでます。
この状態は腎が熱を持ち、腎のバランスが取れていない状態です。位元堂(いげんどう)の「寧心補腎丸(ねいしんほじんがん)」は腎の熱を冷ます作用があり、気分を落ち着かせる働きがあります。
②倦怠感や疲れやすさを感じる
いつも倦怠感があったり、すぐにカラダが疲れてしまったりするという状態は、エネルギーである「気」と栄養である「血」が不足していると考えられています。
私たちが日常的に使用しているスマートフォンと一緒で、バッテリー切れの状態を想像してもらうと分かりやすいかもしれません。
こういった状態には、位元堂の「参茸白鳳丸(さんじょうはくほうがん)」がおすすめです。気と血を補い、腎に栄養を与えます。心身に元気を与えるほか、カラダを温める作用や美肌へと導く働きもある女性の味方です。
③ほてりやのぼせを感じる
ほてりやのぼせなどを感じる場合は、水分代謝の滞りが原因と考えられています。
水分が体内をスムーズに循環できなくなることで、体内に熱がこもったり、カラダがむくんだりします。
体内にこもった熱を下げる働きが期待できるのが、位元堂の「知柏八味丸(ちばくはちみがん)」です。陰液の不足を補う、つまりカラダを構成する血・津液(体内に存在する血以外の液体のこと)・精の不足を補い、ほてりやのぼせ、口の渇きなどを和らげてくれます。
漢方をうまく取り入れて更年期障害を乗り越えよう
更年期障害は、はじまる時期も、続く期間も人によって実にさまざまです。漢方などを取り入れても、なかなかすぐには不調が和らがないという方もいるかもしれません。
漢方を取り入れるのと合わせて、バランスのよい食事をとる、適度な運動をする、十分な睡眠をとる、ストレスを溜めない、カフェインやアルコール・タバコなどを控えるといった生活習慣を心がけることも大切です。
また更年期障害の症状が辛い場合は無理をせず、医師に相談することをおすすめします。
更年期障害は誰にでも起こり得ることです。一人で悩まず家族や友人などに相談してみたり、漢方を生活の中に取り入れてみたりしながら、自分にあったアプローチで少しずつ乗り越えていきましょう。
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参考
- 厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/content/000952295.pdf)
- 厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/06/dl/s0613-8e.pdf)
- 小金井信宏,「中医学ってなんだろう ①人間のしくみ」,東洋学術出版社,2009年9月5日
- 櫻井大典, 「漢方的おうち健診」, 株式会社 学研プラス, 2021年7月13日