「漢方」は日本で独自に発展してきた医学ですが、基となる中国伝統医学は「中医学」と呼ばれ、似て非なる存在です。
とはいえ、ベースが同じ漢方医学と中医学は、病状や処方を決めるにあたって同様の理論(判断するためのものさし)を用いることがあります。
その一つに、「気血水」(きけつすい)という考え方があり、特に日本の漢方学においては、体質を分類する重要なものさしとなります。
一方中医学では、総合的に体質を捉えるため、気血水だけでなく様々なものさしを用いて体質を分類します。
今回は、日本の漢方学と中医学における体質分類を比較していきましょう。

気血水(きけつすい)について

気血水とは、カラダを構成する重要な要素であり、この3つのバランスが崩れることで不調が起こると考えられています。

【気】生きていくための肉体的、精神的なエネルギーのことを指します。カラダの中の巡りを司り、カラダを温めたり、邪気からバリアしたり、生きるために必要な様々な働きをします。

【血】体内を流れる赤い液体、いわゆる血液と血液に溶けた栄養やホルモンなどの総称です。体内に栄養や潤いを与え、精神活動を支える働きがあります。

【水】身体の中を流れる血液以外の液体、リンパ液や汗、唾液、尿などを指します。中医学では津液(しんえき)と呼ばれています。カラダを潤したり、血の原料となったり、カラダの中の余分な熱を抑える働きなどをします。

漢方医学は気血水から体質を考える

日本の漢方学では、気血水が体質を分類する一つの大きな指標として考えられることが多いようです。
それぞれが、不足している「虚証」の状態と、余分なものが溜まった「実証」の状態の大きく2つに分かれます。

虚証実証
気虚気滞
血虚お血
陰虚水滞

それぞれの状態で、現れる不調が異なります。
例えば、水滞の状態だと、カラダが重くだるい・むくみやすい・皮脂や汗が多いなどの不調が現れやすくなります。

カラダ漢方のスタッフKは、オフィスワークということもあり、毎日夕方になると下半身が重くなり、むくむという悩みを抱えていました。体質チェックをしてみると、水滞ということが分かり、六味地黄丸を試すことに。
飲み始めてすぐに、トイレの回数が増えて、カラダに溜まった余分なものが抜けていく感覚を感じたそうです。
スタッフの体験レビューはこちらから👇

このように、日本の漢方を選ぶ時には、気血水を柱にした6つの体質分類から自分に合った漢方を探すことができるようです。

中医学は色々なものさしから体質を考える

一方中医学では、気血水だけでなく、陰陽五行(いんようごぎょう)、臓腑(ぞうふ)、経路(けいろ)などさまざまな伝統的理論をものさしとしています。また、先天的な要因と後天的な要因をベースに、体系、皮膚の色、性格、病理などから総合的に体質を分類するのも特徴です。
中国政府に認定された書籍「中医体質の分類と判定」では以下の9つに分類します。

体質分類特徴
平和質(へいわしつ)心身ともにバランス がとれた理想な健康タイプ
陽虚質(ようきょしつ)エネルギーが不足して、寒さに弱い冷えやすいタイプ
陰虚質(いんきょしつ)乾燥しがち、のぼせる、イライラしやすい、水分が足りないタイプ
気虚質(ききょしつ)カラダの機能が低下、 気(エネルギー源)が不足した疲れやすいタイプ
痰湿質(たんしつしつ)代謝産物が溜まりやすく、太りやすいタイプ
湿熱質(しつねつしつ)余分な水分や老廃物が溜まりやすく、熱邪が体内にこもって、排出機能が不十分なタイプ
血瘀質(けつおしつ)血流が悪く、シミが出やすいタイプ
気欝質(きうつしつ)気分が沈みがちなうつタイプ
特禀質(とくひんしつ)環境要素など外部刺激に反応しやすい過敏タイプ

平和質以外の8種類の体質はいずれも未病体質とよばれていて、カラダのバランスが崩れていることを指します。
体質を判定するには、「中医体質調査票」という質問票に答え、各質問を5段階で評価し、判定基準に基づいて体質のタイプを判定します。

慢性的な疲れや倦怠感に悩んでいたカラダ漢方のスタッフYは、実際に香港を訪れ、位元堂のクリニックで気虚質と診断されました。おすすめされた養陰丸(ヨウインガン)を試しています。
飲み始めてすぐにカラダが温まるのを感じ、疲れが取れやすくなったそうです。
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まとめ

今回は日本の漢方と中医学では、体質の分類が異なるということをみてきました。
気血水は、どちらにも重要な柱になりますが、色々な角度から自分のカラダがどのような状態にあるかをチェックしてみましょう。
カラダ漢方では、体質から漢方を探すことができます。自分に合った漢方を見つけ、不調ののないカラダに改善していきましょう。

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参考