老舗漢方ブランド、位元堂は香港各地に中医師が漢方を処方してくれるクリニックを展開しています。

今回、カラダ漢方のバイヤーYがその位元堂クリニックを受診。その経験を通じて、日々を楽しく過ごすためには自分のカラダを知ることがとても大切だと分かりました。
漢方によるセルフメンテナンスは、自分のカラダと対話する方法が分かればずっと効果的になります。

「自分に合う漢方の選び方が分からない」という方は、バイヤーYの経験をぜひ参考にしてみてください。

位元堂クリニックで知った「カラダと向き合う」ことの大切さ

今回位元堂のクリニックを受診して、カラダと向き合うことの大切さを学びました。

中医学は単なる病気の治療法ではなく、心身のバランスを整え、楽しく充実した毎日を過ごすことを目指します。その根底にあるのは「自分を知る」という考え。

自分の体質やその時のカラダやココロの状態をより深く理解することで、ぴったりな漢方も選べるようになるし、適切な食事や休息などを選んで不調に陥るのを防げます。

体質が分かると不調の理由も分かってくる

自分のその時の体質が分かれば、不調の理由が分かる。
不調の理由が分かれば、セルフケアの方法も分かる。

これが、今回位元堂のクリニックで学んだことです。

中医師による四診を体験

中医学では、中医師が患者をじっくりと観察し、話を聞くことを重視します。

診察では4つのポイントから症状を見極めます。それが以下の「四診(ししん)」。

  1. 舌や顔色などを診る「望診(ぼうしん)」
  2. 声や咳の音を聞く「聞診(ぶんしん)」
  3. 症状や生活習慣について尋ねる「問診(もんしん)」
  4. 脈のほか、お腹や背中の状態を触る「切診(せっしん)」

この4つの手法を通してカラダの状態を総合的に判断し、体質や漢方の処方を決めます。

まずは、私のカラダの悩みが、生理痛、免疫低下、むくみ、そして下痢と便秘を繰り返すことだと伝えました。そして、脈と舌の状態を診たあと、生活習慣などを中心に細かい問診がありました。

中医師の判別によると、私の体質は「気虚(ききょ)」×「淡湿(たんしつ)」。
「気虚」は、カラダにエネルギーが足りていない状態。そして「痰湿」は余分な水分や老廃物が溜まっている状態です。
判別の根拠として教えてもらったのが、舌の苔が白くて厚いこと。
そこから疲れが溜まり、余計な水分がカラダに溜まっていることが読み取れるのだそうです。
この舌を診る方法はわかりやすいし、自分でも判別できそうだなと思いました。

また、中医師に体質を判別してもらうことで、最近免疫力が下がって風邪をひきがちだったり、むくみがちだった理由は、冷たいものを飲み過ぎていたことと寝不足で疲れが溜まっていたからだとよく分かりました。

中医師直伝、セルフケアのコツ

気虚×痰湿のセルフケア方法として中医師に教えてもらったのは、以下の4つです。

  • 夜更かしをしない
  • 冷たいものを控える
  • 脂っこいものを控える
  • しっかり寝てカラダを休める

ほかに、生理中はカラダを温めるために生薬としても使われる陳皮(チンピ、ミカンの皮を干したもの)とショウガを温かいお湯に入れて飲む養生法も教えてもらいました。

また、体質に合っているとすすめられたのが位元堂ブランドの養陰丸(ヨウインガン)。
実は養陰丸は、冷えが気になっていたので以前から飲んでいました。
今回中医師にすすめられて、改めて体質に合っていることが分かったので、安心して続けられそうです。

診察後は、中医師が調合した漢方を煎じて出してくれました。

カラダをもっと知るために始めたい定期的なセルフチェック

位元堂のクリニックでの体験を通して、自分のカラダについて深く理解できました。
香港を旅行する機会があれば、ぜひ位元堂のクリニックへ行ってみてください。
または、ご近所に漢方薬局があるなら一度受診して体質などをチェックしてみることをおすすめします。

とはいえ、馴染みが薄い中医系クリニックはハードルが高い…という方も多いでしょう。
そういう方に試していただきたいのが、位元堂で教えてもらった体質セルフチェック。

私の体質は「気虚(ききょ)」×「淡湿(たんしつ)」だったわけですが、中医学では「体質」を以下のように9種類に分類します。

体質特徴
平和質(へいわしつ)健康な状態
気虚質(ききょしつ)身体機能が低下した状態
陽虚質(ようきょしつ)陽(エネルギー)不足の状態で冷えやすい
陰虚室(いんきょしつ)水が不足している状態でのぼせ、イライラしがち
痰湿質(たんしつしつ)老廃物が溜まっている状態
湿熱質(しつねつしつ)水分や熱がこもった状態
血瘀質(けつおしつ)血のめぐりが悪い状態
気鬱質(きうつしつ)気の流れが滞って気分が沈みがち
特稟質(とくひんしつ)外部刺激に過敏になりアレルギー反応などを起こしやすい状態

体質は生まれつきのものではなく、後天的な環境や生活習慣によって変化すると考えられています。
私のように2種類の体質が複合していることもありますし、体調や季節、年齢などでも変化します。

「体調がいまいちだな」と思ったら、まずはその時の体質をセルフチェック。
体質に合わせて漢方や養生法を選ぶことで、カラダとココロのバランスが整えられます。

ちなみに、体質は舌や目、肌の状態や色をみて簡単にセルフチェックで判別できます。自分でできる体質チェックについてはまた別の記事で解説します。

カラダと対話してぴったりな漢方を見つけよう

自分のカラダと向き合うことの大切さを学んでから、毎朝舌をチェックして体調を把握するところから1日を始めています。
自分の体質が分かれば、漢方を選ぶのは難しくありません。

私の体験を参考に、ぜひ自分のカラダと向き合う体質チェックを始めてみてください。
そして、ご自分の体質にぴったりの漢方をカラダ漢方で探してみてください。