「漢方を生活に取り入れるのって難しい」「漢方は薬局などで買うもの」

そんなイメージを一変させてくれたのが、漢方や乾物の問屋街として知られる台北の人気観光地、迪化街*での体験でした。

漢方は料理やドリンクに手軽に取り入れることができ、しかもおいしい。そしてもちろん、ヘルシーで健康をサポートしてくれる。台湾では私の想像以上に漢方が日常に溶け込んでおり、街のあちこちで人々が漢方を楽しむ「プチ漢方ライフ」を目の当たりにしました。

今回はバイヤーYが現地で食したローカルの薬膳飯や中国茶をご紹介し、散策して見つけた手軽でおいしい漢方の始め方をご提案します。料理にちょっと乾物を入れてみたり、飲み物をハーブティーに変えてみたり。口にするものをちょっと変えるだけで「プチ漢方ライフ」は始められます。あなたも一緒に体験してみませんか?

*迪化街の読み方:てきかがい(日本語)、ディーホアジエ(中国語)

おいしくて楽しい漢方に出会える商店街

迪化街をひと言で表すなら、温かみ溢れるレトロモダンな商店街。

南北にのびる通り沿いには老舗の漢方店や乾物店が立ち並び、中国正月(春節)の前は正月用の買い物をする台湾人でにぎわうそう。

古い街並みには名物のローカルグルメが味わえる飲食店のほか、100年以上の歴史ある建物を改装した中国茶のカフェや雑貨店など新しいスポットもあり、台湾の若者や観光客に人気です。

私は今回現地を訪れてみて、街のあちこちで「漢方を食に取り入れるヒント」を見つけることができました。台湾での漢方は、薬というより身近な食べ物という感じ。散策するだけで驚きや発見が多かったです。

プチ漢方体験①定番の薬膳茶から新タイプの中国茶まで

暑さをしのぐ青草茶

台湾のいたるところで目にする薬膳ドリンクが青草茶。さまざまな薬草を煮出して作ったハーブティーのことで、その中でも現地のローカルハーブを煮出した青草茶は「熱を取る」とされています

一服したい時にぴったりで、コンビニでも売られているほど台湾ではポピュラーな飲み物。お店によってハーブの配合はさまざまですが、苦味もありつつ薄荷(ミント)が入ったス〜ッとした後味のものも多数。麦茶のようにごくごく飲めて暑い日には最高です。

私が訪れたのは人気店の姚徳和青草号。一杯だけサッと飲む人や大きいペットボトルやティーバッグを買い求める人などもいて、まさに地元の人の生活に溶け込んでいる様子でした。

姚德和 青草號(Yao de Herb)の詳細
住所  :No. 55號, Minle St, Datong District, Taipei City, 台湾 103 / Google Mapで開く
営業時間:月~日曜日 8:00-19:00
定休日 :なし
公式SNS:Instagram / Facebook

喉を潤し咳を和らげる杏仁茶

杏仁茶はアンズの種の中の杏仁と米から作られたドリンクで、台湾ではあちこちで見かけます。

杏仁は肺を潤すとされていて咳止めに使われます。また腸を潤すことで便秘をケアしたり肌を潤して美肌に導いたりと、女性にはうれしい生薬。

杏仁というと、杏仁豆腐を思い浮かべるかもしれませんが、杏仁茶は甘さ控えめでさっぱりした味わい。「おいしい薬膳ドリンクがこんな手軽に飲めるっていいな!」と思いました。

カラダ漢方でも、お湯に溶かすだけで毎日楽しめる杏仁スープを取り扱っていますので、ぜひお試しください。

永昌傳統豆花店の詳細
住所  :No. 9, Yongchang St, Datong District, Taipei City, 台湾 103 / Google Mapで開く
営業時間:火~日曜日 8:30-16:00
定休日 :月曜日
公式SNS:Facebook

中国茶の楽しみ方を広げるカフェ

クーラーが効いたカフェで涼みたい方におすすめなのが、老舗茶葉ブランドである有記名茶がプロデュースしたおしゃれな中国茶カフェ、WANGTEA LAB×有記(ワンティー ラボ×ヨウジー)です。

生ビールサーバーのような装置で炭酸を加えた中国茶をサーブしたり、茶葉エキスをエスプレッソマシンで抽出したりと斬新な試みが楽しいお店。スタイリッシュかつレトロな内装もとっても素敵でした。

お茶は生薬として利尿やリラクセーションといった働きが期待できるものも多く、中医学とは切り離せません。とはいえ、お茶といえばお湯で煎じて飲むくらいだったので、ここでの体験は目からうろこ。お茶の楽しみ方を広げてくれました。

カラダ漢方でも手軽に飲める薬膳ドリンクやスープを多数取り扱っているので、ぜひチェックしてみてください。

WANGTEA LAB×有記(ワンティー ラボ×ヨウジー)の詳細
住所  :No. 24號, Lane 64, Section 2, Chongqing N Rd, Datong District, Taipei City, 台湾 10345 / Google Mapで開く
営業時間:月~水曜日、金~日曜日 10:00-19:00
定休日 :木曜日
公式SNS:Instagram

プチ漢方体験②ドラマにも登場の薬膳ローカル飯

五郎特集(ゴローセット)と滷肉飯(ルーローファン)。台湾人客も多い人気店です。

迪化街では、台湾ならではのローカル飯ももちろん楽しめます。

今回訪れたのは「孤独のグルメ」のロケ地、永楽担仔麺。主人公の井之頭五郎さんが食したメニューを頼んでみました。一口食べて感じたのは、これは薬膳ということ。台湾料理には八角や五香粉などのスパイスがよく使われますが、ここの料理もそうでした。

生薬としての八角は、胃腸の働きを整えるとされています。胃に負担がかかる肉料理に胃腸の働きを整える香辛料を使う。このあたり、さすがに生薬の使い方を心得ているなといった感じでした。

香辛料なら手軽に買えるので、私も今度お肉を料理する際は八角を取り入れてみようと決意。

永楽担仔麺の詳細
住所  :No. 20, Lane 233, Nanjing W Rd, Datong District, Taipei City, 台湾 103 / Google Mapで開く
営業時間:月~日曜日 11:00-19:30
定休日 :なし

プチ漢方体験③老舗で出会った漢方キット

最後に老舗の漢方店、百恒薬材へ。老舗の漢方店は現地のお客さんばかりでハードルが高いと感じるかもしれませんが、迪化街のお店は外国人もウェルカムな雰囲気です。

店頭には日本人にもなじみのある干し椎茸やキクラゲのほか、クコの実やナツメ、ドライマンゴーといったドライフルーツなどの乾物類がずらり。迪化街といえばそのほか、からすみもお土産として人気です。

こういう乾物が漢方店に並んでいるのを見ると、台湾では漢方が「薬」というより、ヘルシーに楽しむ身近な「食べ物」として浸透していることがよく分かります。

数ある品物に目移りしながら、私が料理に取り入れる第一歩として選んだのは漢方料理キット。当帰(トウキ)などいろんな生薬がセットになっていて、鶏肉やお酒などと煮込むだけ。これなら生薬の味も分かりますし、いろいろ学べそうでわくわくしました。2種類の漢方キットを買ってみたので、近いうちに料理してレポします。

百恒薬材の詳細
住所  :103 台湾 Taipei City, Datong District, Section 1, Dihua St, 65號號 No / Google Mapで開く
営業時間:月~日曜日 9:00-20:00
定休日 :なし

ときめくプチ漢方ライフをはじめよう

迪化街を散策してみて「漢方っておいしい!簡単で楽しいかも!」というときめきと新たな発見がありました。

ドリンクをハーブティーにする。
料理に乾物やスパイスを加えてみる。
アキョウナツメのようなドライフルーツをおやつとして取り入れてみる。

こんな感じで、普段何気なく口にしているものを少し変えるだけで日常に漢方を取り入れる「プチ漢方ライフ」は始められます。

「漢方って薬でしょ」「私にはなじみがないよ」と感じる場合は、カラダ漢方で扱っているおやつやドリンクのような手軽でおいしい漢方から始めていただくのがおすすめ。

「漢方はおいしくて楽しいもの」というときめきをぜひ感じていただければと思います。

カラダ漢方では、上記以外にも気軽にスタートできる漢方商品を多数取り扱い中。また、「症状」や不調を感じる体の「部位」、生薬名からも自分に合った漢方をさがすことができますので、ぜひチェックしてみてください。