PMS(月経前症候群)は、月経前の数日から10日間にかけて現れる身体的および精神的な不調を指します。日本産科婦人科学会によると、月経が始まるとともにこれらの症状は軽減または消失します。しかし、その症状は200種類以上にも及び、対処法も人それぞれです。ここでは、病院嫌いや西洋薬に抵抗がある女性のために、PMS対策としての漢方の活用法をご紹介します。

病院に行きたくない、西洋薬が苦手という人には漢方という選択肢を

PMSに悩む女性の中には、病院に行くことを避けたい方や、西洋薬に抵抗がある方も多いでしょう。市販の鎮痛剤など、西洋薬は特定の症状には有効ですが、複数の症状を一度に対処することは難しいです。そこで、漢方が注目されています。

漢方は複数の生薬から作られており、一つで多様な不調にアプローチできるのが特徴です。例えば、PMSや生理痛にはピルが一般的に使われますが、漢方はカラダ全体のバランスを整え、複数の不調に対応できるため、毎月症状が違う方や様々な症状が現れる方には最適です。

病院で相談することも時には重要

漢方の効果を理解していただくことは大切ですが、PMSの症状やその期間は個人差が大きく、自分に合った漢方・薬選びがとても重要です。しかし自己判断だけでは難しい、どうやって自分にあったものを見つけたらいいのか分からないという方もいるでしょう。
そういうときは病院での相談も選択肢の一つです。

病院に行くタイミングに決まりはありませんが、日常生活や仕事、対人関係に支障をきたしている場合は、早めの受診をおすすめします。産婦人科や婦人科での診察では、自分の生理周期や症状を記録しておくと、診察がスムーズに進みます。

ほとんどの女性が病院にいかずセルフケアでPMS対策している

では、実際にPMSに悩む女性は病院に通っているのでしょうか?
カラダ漢方の20~50代女性スタッフに聞いてみました。

病院に行く?行かない?

なんと、アンケートに回答してくれたスタッフのうち「PMSの症状で病院に行ったことがある」と回答したのは0人でした。
全員が「病院に行くほどでもないと思っている」という理由で病院には行ったことがないという結果になりました。
多くの場合は、我慢してしまったり、都度症状に対してセルフケア法を見つけることで、症状と向き合っているようです。

お悩みの症状

病院には行くほどでもないと答える彼女たちですが、実際はどんな症状に悩んでいるのでしょうか。回答の多かった順にご紹介します。

  1. イライラ
  2. 泣きたくなる
  3. 怒りっぽくなる
  4. 眠気
  5. 腹痛・下腹部痛

精神的な症状を抱える方が多くいました。気持ちが乱れやすいと、パートナーや家族など周囲の人に当たってしまうなど、自他ともにつらい思いをしてしまうので丁寧にケアしたいところです。
痛みに関しては、鎮痛剤を服用して症状を緩和させているスタッフもいますが、何もせず我慢してしまうと回答している人も60%近くいました。
また、多くの方は、1つではなく、2~3つの症状を同時に抱えていることも分かりました。

みんなのセルフケア法

病院に行かずPMSの症状と向き合うために、カラダ漢方のスタッフがどんなセルフケアをしているか聞いてみました。

  1. 適度な運動や食生活の改善
  2. 体を温めるようにする
  3. 市販薬・サプリメント・漢方の服用

生活習慣を見直して、カラダのバランスを整えるように気を付けていると答えたスタッフが多くいました。PMSの症状が現れているときだけでなく、日常的なライフスタイルを整えることが、症状を緩和させるために大切なのかもしれません。

PMSの原因は完全には解明されていませんが、女性ホルモンの変動が関与していると考えられています。ホルモンバランスが乱れにくいカラダ作りのために、自分の症状や体質にあった対策を見つけていきましょう。 

PMSの諸症状の改善には、体の過不足を知ることが重要

ここまで実際にPMSに悩む女性のリアルをみてきましたが、最後に中医学的PMSへの向き合い方とタイプ別の漢方をご紹介します。

中医学では、「肝」の機能失調が気滞、お血、気虚、血虚を引き起こし、PMSの様々な不調をもたらすと考えます。「肝」は気・血のバランスを調整する重要な役割を担っています。症状を根本的に改善するためには、カラダのどこでバランスを崩しているのかを知ることが重要です。

病院で漢方を処方される場合も、同様に症状とカラダのバランスによって異なるものが処方されます。

例えば、肩こり・のぼせ・腹痛がある「お血」の状態であれば、桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)などが処方されることがあります。一方、イライラなど精神的な不調が主に現れている「気虚」の状態であれば加味逍遙散(カミショウヨウサン)などが処方されることがあります。

カラダ漢方でも、タイプ別にPMS対策におすすめの漢方を取り扱っていますのでぜひチェックしてみてください。今回は4つご紹介します。

PMS対策におすすめの漢方

1. 参茸白鳳丸[位元堂](サンジョウハクホウガン)
 人気No.1、気・血不足の方、痛みやイライラなどに

2. 燕窩白鳳丸[位元堂](エンカハクホウガン)
 厳選天然素材、めぐりが悪い方向け、肌トラブル、むくみなどに

3. 当帰養血丸[位元堂](トウキヨウケツガン)
 安心の伝統処方、めまいや頭痛、貧血っぽい不調に

4. 姑嫂丸[濟衆堂](コソウガン)
 コスパ最高!血行不良、めまい、疲労、不眠などに

その他にも様々な漢方がありますので、自分に合ったものを探してみてください。

自分のカラダのバランス・体質を知るために

中医学では望診といって、カラダの見た目から体質やカラダの状態を判断する診察方法があり、舌や唇の色、目の周りの状態などを見て行います。

実は同じようなチェックを毎日鏡をみて行うことで、自分の体質への理解を深めることができます。

カラダ漢方公式Xではスタッフが自宅で簡単にできるセルフチェック法を公開していますので、ぜひ一緒に、自分のカラダの状態をチェックしてみてください。
まずは自分のカラダと向き合い、自分に合ったセルフケア方法や漢方を見つけ、快適な日常を目指しましょう。

参考

公益社団法人日本産科婦人科学会「月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)」